君はロックなんか聴かない
「花形詩織のせい?」
「何で知ってるの?」
「久間くんに聞いたの、あなたが焦ってるは詩織さんのことで何かあったのかなって思って」
「私は焦ってなんかいない、詩織ちゃんの話はしないで、もうどっかいって!」
「私はね、詩織さんの事は詳しく知らないけど花形くんもあなたも間違ってないと思うんだ、もし良かったら私たちの新曲いろんな思いを込めて作ったから聞いて欲しい。本当はこれが言いたかっただけ、文化祭、私たちのステージ見に来て!じゃあ」
私は何くわない顔で教室に戻った。アイナ来てくれるだろうか、わからない。
「おかえりなさい」えみちゃんが言う。もうお弁当は食べ終わっていたみたい。お腹減った。本当は何も食べてないから。
「購買混んでた?」
「うん、今日も混んでたよ」
「そっか」
私は悪戯にえみちゃんが気になってるという石倉くんの席に座った。
「ちょっと」恥ずかしそうに嫌がるえみちゃん。
「別にいいじゃん、いないんだし、変わる?」
「いいよ」手を横に振る。
「そうだ、青田さんの彼氏見せてよ」隣に座ってる青田さんに話しかける。
「え、うん、いいよ、えみちゃんに聞いたの?」
「うん、そう」
青田さんがスマホをいじって画像を探す。
「はい」
そこにはプリクラでとった幸せそうな写真がある、画面から伝わるラブラブが目を焦がす。
「いいじゃん、彼氏いくつ?」
「2つ上高3だよ」
「いいねぇ、年上彼氏」
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