君はロックなんか聴かない
*
文化祭まで後一週間、学校全体が浮かれているのが分かる。色めきだち生徒達も少し騒がしい気がする。
その日えみちゃんは学校に来なかった。「寝坊?」そうメールをした。
返事は来なかった。どうしたのだろう。心配になったが、時間通り授業は始まる。メールを確認すると既読のマークはついてる。本当にどうしたのだろう。「どうしたの?何かあった?大丈夫?」メールを送る。それでも返信は来ない。体調不良だろうか、何か嫌な予感がする。お節介な気もするが何かあってからじゃ遅い。
「先生!体調悪いので保健室いって来ます」私は迫真の演技をして教室を後にする。もちろん体調は悪くない。えみちゃんを探しにいく。何となくどこにいるのか分かる気がする。そこにいなければ諦めて待つしかない。自転車を勢いよくこいでそこに向かう。道中も探しながら、汗も滴る。
*
やっぱり、いた。私たちがよく来る公園。端っこのベンチに制服の彼女はポツリと座っていた。
「ひめちゃん?」ふと彼女は顔をあげる。
「どうしたの?泣いてるの?」
「うん」涙を裾で拭って笑顔をつくる。
「ひめちゃん学校は?」
「サボってきちゃった」
「そっか、ごめんね」
「いいの、私、こういうの1回やって見たかったし」
文化祭まで後一週間、学校全体が浮かれているのが分かる。色めきだち生徒達も少し騒がしい気がする。
その日えみちゃんは学校に来なかった。「寝坊?」そうメールをした。
返事は来なかった。どうしたのだろう。心配になったが、時間通り授業は始まる。メールを確認すると既読のマークはついてる。本当にどうしたのだろう。「どうしたの?何かあった?大丈夫?」メールを送る。それでも返信は来ない。体調不良だろうか、何か嫌な予感がする。お節介な気もするが何かあってからじゃ遅い。
「先生!体調悪いので保健室いって来ます」私は迫真の演技をして教室を後にする。もちろん体調は悪くない。えみちゃんを探しにいく。何となくどこにいるのか分かる気がする。そこにいなければ諦めて待つしかない。自転車を勢いよくこいでそこに向かう。道中も探しながら、汗も滴る。
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やっぱり、いた。私たちがよく来る公園。端っこのベンチに制服の彼女はポツリと座っていた。
「ひめちゃん?」ふと彼女は顔をあげる。
「どうしたの?泣いてるの?」
「うん」涙を裾で拭って笑顔をつくる。
「ひめちゃん学校は?」
「サボってきちゃった」
「そっか、ごめんね」
「いいの、私、こういうの1回やって見たかったし」