君はロックなんか聴かない
「不良だね」
「えみちゃんもでしょ、何があったの?」
「昨日ね、石倉君に気持ちを伝えたの、そしたら他に好きな人がいるって言われちゃって、それでもぜんぜん大丈夫だと思ったけど、朝すごい悲しくなっちゃったんだよね、そしたらここにいた。ひめちゃんからまメール来てたけど返信も出来なかった」
「そっか、石倉君も見る目がないね、えみちゃんこんなにかわいいのに、私が男だったら絶対えみちゃんと付き合うけどな」
「ひめちゃんは優しいね」
「どうする?今日!遊びいく?」
「ううん、大丈夫学校行こう、でも、もうちょっとここにいよう」
私たちは多くを語らず少し冷たい秋風に揺られながらサボってり背徳感を味わい。時間を潰した。

3時間目から授業に出たがうまく言い訳もしたおかげで特に咎められる事もなかった。
授業中えみちゃんと目があい、小さく手を振る。向こうも振り返す。これもひとつの青春だろう。でも号泣するほどの恋ってどんなのだろう私はした事がない。心の底からその人の事を考えて一日中恋をする、そんな人生もきっと幸せだろう。でも、今は、音楽の事しか考えられない。でもどこがで王子様が迎えに来てくれるような妄想はある。このままの生き方でいつか恋をしたい。
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