君はロックなんか聴かない
「橋本さん、おはよう」

昨日の男の子が私に挨拶してきた。名前はなんだったろう、思い出せない。

「おはよう」

「あ、須藤さんもおはよう」

「おはよう、久間くん」

「えっと、」

「青田です、よろしくお願します」

「よろしく、青田さん」

皆どうしてよくすぐ人の名前を覚えられるのだろうか疑問になる、私も努力しないといけないと思った。

「昨日の最悪だったな、やっぱり俺は入らないことにしたよ、橋本さん達も入らないんでしょ?」

「え、あ、うん」

「そんなに酷かったの?」

青田さんが言った。

「あんまり雰囲気よくなかったよな」

「そうなんだ、私も興味あったんだけどな」

ここでタイミングよくホームルームの鐘がなる。皆それぞれ席に戻る。

チャイムがなり終わるのと同時に担任の先生が入ってくる。

若そうに見えるけど実際の年齢はどのくらいなのだろうかふと考える。

「おはようございます」

「おはようございます」

皆一斉に挨拶を返す。

ホームルームは単調な物だった。点呼を取り。その後は先生が淡々と今日の段取りを話し進行されていった。

私はまた窓の外の桜を見つめていた。風に煽られてふわっと舞い散る。絶景だ。

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