君はロックなんか聴かない
「俺は西中だよ」

久間くんだ。私達の会話に割り込んできた。

「西中って遠くない?」

「あ、俺は電車だよ、自転車じゃ遠すぎるよ」

「確かに、そうだよね」

「橋本さん、今日はギター持ってきてないの?」

「え、うん、軽音楽部ダメそうだしね」

「そっか、じゃあスタジオは無しか、じゃあカラオケ行かない?皆で」

突然だな、でもカラオケは好きだ。行きたい。

「どこのカラオケ?」

「アピマの近くのカラ感」

「いいね!私はいけるよ」

須藤さんが言った。

「私も」

私は答えた。

「私はいいかな」

青田さんは申し訳無さそうに断った。

「ああ、じゃあ後ほかのクラスの俺の友達も誘うから、じゃあまた放課後ね!」

「青田さんも行こうよ」

「ううん、私はバイトがあるから」

「そっか、何のバイトしてるの?」

「アピマの中にある雑貨屋さんだよ」

「え、今度行こうかな」

「うんうん、来てよ、割と暇なんだよね」

「え、いくいく、てか私もなんかバイトしないとな」

「楽しい?」

「んー、まだ分からないことばっかりだよ」

「大変?」

「けっこう大変、でもあっという間に終わっちゃう」

「そっか、私もなんかいいバイト無いかな」
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