君はロックなんか聴かない
カラオケについた。既に何人か他にも学生がいる。違う学校の制服だ。きっと皆歌いたいのだ。

私達は列に並ぶことにする。

前の団体はマイクを貰い部屋に案内されていった。


「いらっしゃいませ」

「本日は何時間ご利用になりますか?」

私は久間くんの方を見る。

「フリータイムでお願いします」

慣れた対応で答える。

「機種はどちらになさいますか?」

その後も久間くんが対応していた。

その様子は慣れたもので何度も来てるようだった。

私はドリンクバーのコップを受け取り、部屋の前にあるサーバーで飲み物を入れて部屋に向かう。

部屋は綺麗だったが、どこかタバコの匂いとエアコンのカビ臭さがする。

そんなことは誰も気にせずソファに腰掛ける。

「何歌おうかな」

久間くんはケータイを見ながらそう呟いた。

「よく来るの?」

須藤が質問する。

「けっこうくるよ、歌うの好きだから」

「先週も来た」

大町くんが呟いた。

私はなみなみについだお茶の氷をクルクルとかき混ぜていた。

「はい」

そういうと久間くんはカラオケリモコンを私に渡してきた。

「ありがとう」

私は曲を探す。何を歌おうか迷う。
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