君はロックなんか聴かない
スマホを見ると何件かメッセージが入っていた。

「ひめちゃん、大丈夫?青田さんも久間君も先生もみんな心配してたよ」須藤さんからだ、メッセージの後にはかわいいスタンプもついてる。

「ごめんね、もう大丈夫だよ」私もメッセージの最後にスタンプを載せて返信する。

「橋本さん大丈夫?須藤さんから聞いたよ、多分そいつ8組の石原アイナってやつらしい、花形の知り合いらしい、昔から割と問題児らしい、だから気にしない方がいいよ」久間君からだった。

石原アイナ。要注意人物。

「ありがとう、確かに変な人だった、気にしないようにするね」また後にスタンプを載せる。

「ひめ!元気してる?学校どう?」七海からだセンサーでもついているのだろうか私が落ち込んでる時はいつもメッセージをくれる。

「元気だよ、大変なこともあるけど友達がみんな優しい」また最後にかわいいスタンプを付けて送信する。

「こんばんは、ひめちゃん、大丈夫かな?元気出して、もし良かったら私ベースやってみたいんだけど、バイト忙しいからたまにしか出来ないけど、ダメかな?」青田さんからだった。驚いた。私は飛び上がった。人生はふりこだ。悪いことがあればいいこともある。私はすぐに返信をした。

「ありがとう、元気だよ。ベースぜひお願いします!」私はまたかわいいスタンプをつける。

「もしよっかたら知り合いの知り合いにドラムやってる人いるんだけど紹介しようか?俺も話したことないんだけど繋げられるかも!」久間君からだ驚いたメンバーが急に揃いそうだ。

人生は不思議なものだ、石原アイナのせいで失った道がくしくもそのおかげでメンバーが集まりそうだ。

「嬉しい、ぜひお願いします!」とびきり嬉しそうなスタンプを添えて送った。

その後もみんなとメッセージのやり取りをして、暖かい夕食を食べて眠りについた。
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