君はロックなんか聴かない
「ひめちゃん大丈夫だった?」須藤さんと青田さんが心配そうに話かけてきてくれた。

「え、あ、うん、注意されただけで済んだ」

「相手にも会ったんでしょ?」

「うん、苦手だな、ずっと睨んで来てた。変な人」

「やばいね、要注意人物だね」

「う、うん」

あの鋭い眼光は一体何を見つめているんだろう、きっとあの目は私なんかを見てはいなかった。寂しそうでとても強い目。あの目はどこを見ているのだろう。

「橋本さんどうだった?」久間君だ。

「うん、何とかなったよ」私は精一杯の空元気で答えた。

「ドラムの子どうする?もう連絡とってみる?」

「ああ、うちの学校?話してみたい!どこのクラス?」

「どこだろう?聞いてなかったわ、とりあえず連絡先送るね、ざっとは説明してある」

「ありがとう!」私は先生に呼ばれたことも忘れて新しい出会いに胸を焦がしていた。

久間君からすぐにメッセージでその子が送られてきた。ひとみん、そう名前がついていた。ありがたい。

私はなんてメッセージを送るか考える。

ひとみんいったいどんな子なのだろう、気が合う子だといいな。

メッセージを考える失礼のないようにしなくてはならない。




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