君はロックなんか聴かない
今日は不安や緊張で一日はとても早く感じた。

楽しかったとか幸せだったとはまだ言いきれないが友達も出来そうだ。

クラスでは帰りの会が終わり皆帰りの準備をし始めてた。先生の「さようなら」の合図でみな席をたち始めた。

緊張の糸が切れ、一気に疲労感が襲ってくる。

「ふぅ」大きなため息がでる。

「橋本さん!」須藤さんが小走りでこちらに向かってくる。須藤さんは私以外も既に仲良さそうに話していた。すごいコミュニケーション能力だ見習いたい。

「どうする?軽音楽部、すぐ向かう?」

「う、うん、行ってみようかな」

華奢な女の子が須藤さんに近づいてくる。

「じゃあね」
「また明日」

須藤さんは私がまだ名前も知らない女の子達と別れの挨拶をしていた。
その中の子と目が合ったがすぐに目線を逸らす。最低だと自分でも自負している。悔しいが人見知りが全開に出てしまう。

まだ初日だから仕方と自分に言い聞かす。

靴を履き替えて廊下に向かう。荷物は少ないがギターが重い。何人がに物珍しそうに見られる。

「ギター大きいね、けっこう重そうだけど大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫!」

春休み中のアルバイト代全てをつぎ込んだ私の愛しのギターこれくらいの重さ何ともない。なんたって目に入れても痛くないほどだから。

部室はどこだろう。今日配られたプリントには無かった。自力で探すしかないのか。
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