君はロックなんか聴かない
「私たもライブやりたいね」吉田さんが言う。意外だった。
視線が集まる
「私たちもすぐにやりいたいね練習しないとね」

「うん練習しとかないとね、椎名杏だっけ」

「そうだねゴールデンウィーク明けに一回集まってみよう、白石さんも読んで」

「いいね、やってみよう」

「カバーだよね?」

私はオリジナルがやりたかった。でもそれには技術も私には足りないのは明白だった。仕方ない。

「カバーうんカバーだよね」私が答える。

「一回みんなで集まろうよ」

「うん、そうしよう」

「また放課後暑まる?」

私の表情は曇っていた。焦りは禁物だがやはり焦る。上手く進められるだろうか不安だ。高揚感と不安感。
私の表情は曇っていた。全力の愛想笑いが限界だった。
正直すぐにでもオリジナルをつくりたいしかしそれは不可能だそもそも実力がない技術もないゆっくりでもコツコツカバーをしていくしかない。
私は焦る。

「グループ作ろうよ」

「いいねグループ作ろうう!ひめちゃん白石さんの連絡持ってる?」

「う、うん持ってるよ」

「じゃあ私がグループ作るからひめちゃん白石さん誘って!」

「う、うん了解」

私は呆然と事が運ぶのを見ていた。本当は私がしっかりしないといけないのにその時はモヤがかかったように上手く反応できなかった。

私が白石さんを招待するとすぐに参加してきた、グループは完成した。各々挨拶代わりのスタンプを送り合いその日は終わった。どこか満足感はかけるものとても楽しかった。これでいいのかなとふと思う。
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