君はロックなんか聴かない
歌詞をどんだけ書いてもいいメロディが降りてこない。

それに別パートの音なんてできそうにない。はぁとため息がでる。

ダメだ、頭を抱える。このままじゃあの人たちには到底追い付かない。

久間君に連絡してみる、いやダメだ。まだ打ち上げしてるだろうし、人にすぐ頼るのはよくない。

とりあえず今できることをコツコツやろう、いやそれしか無いのだ。

カヴァーのギターと歌の練習、あとはひたすら歌詞を書き連ねる。今できることを今できることをやろう。そう自分に言い聞かせる。

あと何年かかるだろう、理想の形になるまで、文化祭までにはステージに立ちたい。

ステージの上から見る世界はどんなんだろう、綺麗なんだろうな。幼い頃に何度かピアノの発表会は出たことあるがそれとはまるで違うんだろう、早くその世界を見てみたい。天井を眺める。

歌詞もなかなか思いつかない。恋した方がいいのかな、でも歌詞の為に恋をするのは違う気もするし難しい。

でも時間もないし恋愛なんてしてる暇ないかなって思う。

ああ、また天井を見つめる。はぁため息がとまらない。

明日から学校だ。ちゃんとみんなで打ち合わせだし、初スタジオ入りもある。気合が入ってくる。

頑張るしかない。あぁ寝られそうにないな。

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