君はロックなんか聴かない
 赤いウォータースライダーが見えた。そんなに大きくないと思う。子供も楽しそうに滑っている。
「どう?いけそう?」

「んー、私はいいかな、ここで見てるよ」

「え、ちっちゃい子もやってるよ」

「んー、やっぱり大丈夫かな、見てるよ」

「そうなん、分かった、行ってくるね」

3人で滑り台に向かう。階段を登っていく。上から見ると結構高いかもしれない。
「結構高いね、どれにする?」

「どれがいいんだろう」

「私一番右にする」

 私は頂上から白石さんに手を振る。白石さんの仕草は遠くからでも可愛い。私は好きだがもしかしたら女子に嫌われるタイプかもしれない。本人は自覚ないと思うがぶりっ子と思われても仕方ないかもしれない。男子はイチコロだろう。勘違いもしそうだがとにかく可愛い。

 えみちゃんが滑り始める。青田さんも滑り出す。私も滑りだす。思ったより勢い凄い。スピードもある。面白い。数秒で着地地点のプールに入る。顔もずぶ濡れだ。皆笑っていた。
「どうだった?」

「面白かったよ、ひとみちゃんもやってみたらいいのに」

「いいよ、私は見てるだけで楽しいの」

「次何やる?」

「流れるプールは?」

「いいね、浮き輪借りて来ない?」

「いいね、借りてこよう!」

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