君はロックなんか聴かない
夕食を終え私は部屋に戻るといつものルーティンを始める。

イヤホンを耳に刺して、私のお気に入りのプレイリストを堪能するのだ。

今日も椎名杏の新曲は最高だ。

イヤホンから流れるメロディー、アンニュイな心をつかむ歌詞。

ラブみょんも完璧だ。

私もそんなミュージシャンになりたい。

そういえば須藤さんともあの男の子とも連絡先交換しなかったな、しとけば良かった。なかなか連絡先欲しいって言えないんだよな。

あの男の子なんの楽器弾くんだろう、スタジオとかやけに詳しかったな中学の時からやってるのかな、私は少しの劣等感を感じていた。

ギターを抱き、イヤホンで音楽を聴く。

私のスマホには何件かのメッセージが入っていた。中学の友達の七海からだった。

「ひめ!学校どうだった?友達は出来そう?カッコイイ人いた?」

「友達出来そうだよ!かっこいい人もいたよ!」

「え、写メ送って」

「写メはないよ、少し話しただけ」

七海はずっとこんな調子だ。高校は違ってしまったがこういう変わらないメールのやり取りは安心した。

私はスマホを起き。またギターの練習を始める。

Fコードがなかなか掴めない。ピックを振り落としてもイマイチ綺麗な音がならない。

まだまだ練習が必要なようだ。
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