君はロックなんか聴かない
「おねちゃん達二人?」

 茶髪の二人組の男に声を掛けられた。いくつくらいだろうか年上に見える。全然タイプではない。何が目的だろうか分からない。ナンパだろうか、近寄ってくる、怖い。

「違います、友達を待ってます」白石さんが答える。

「男?」

「違います」

「一緒に酒飲まない?奢るよ、何飲むビール?レモンサワー?」

「飲まないです、未成年です」

「うそ!いくつ?」

「15です」

「二人とも?」

「はい」

「まじかよ、全然もっと上かと思ったよ、高校生?大人っぽいね、よく言われない?」

「そんなん事ないですよ」

「了解、まあ流石にJKとは飲めないよな」

「そうだな、行こう」

「ごめんね、じゃあまた!」

そして二人組は人混みの中に消えて行った。

「私たちそんなに大人っぽいかな?」

「うーん、どうだろう」

「さっきの人たちタイプだった?」

「いや、全然」私は首を横に振る。

「よかった、私も全然タイプじゃなっかった」

「だよねー」

「ひめちゃんってどんな人がタイプなの?好きな人とかいるの?」

「タイプね、うーん、優しいイケメンかな、好きな人はいないかな」

「そうなの?でもひめちゃんのクラスイケメン多くない?」

「そうかな?」

「久間君も同じクラスでしょ、いいじゃん」

「そうかな」

「いいなあ、来年同じクラスになりたいな」



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