君はロックなんか聴かない
ホットドックが美味しい。少し食べた事でお腹が空いてきた。でもまた買いに行くのは面倒だ。

「ひめちゃん足りたん?」

「うーん微妙」

「焼きそば食べる?」

「うんありがとう、ちょっともらうね」

「しかし暑いね、次あれ乗ろうよ」

青田さんがここで一番大きいウォータースライダーを指さした。それはどっしりと構えていた。

「ムリムリムリ、私はまた見てるよ」

「大丈夫これは一人じゃなくてみんなで乗るやつだから」

「いやームリだよ」

「乗ってみようよ、記念にさ、一回並んでみよう、ムリだったら途中で止めればいいし」

「えーじゃあ並ぶだけだよ」

私たちは30分くらい並んでやっと先頭に近づいてきた。結構な高さがある。高所恐怖症ではないが私でも少し怖い。

「ムリムリ、やっぱりムリだよ」

「大丈夫一瞬だから、下見ちゃダメだよ」

そして私たちの番になったこのスライダーは大きな浮き輪に四人で乗って滑り落ちるアトラクションだ。白石さんは強張ってもう一言も発しない。

全員乗り込んでそして一気に走り出す。

「キャーーーーー!」私たちは悲鳴を上げる。白石さんはカチカチに固まってる。それを見て私たちは大きく笑た。水が跳ね、凄い勢いで下る。迫力も凄い。

一瞬で下までついたが、もう一回乗りたいと思うくらい面白かった。

「まじで死ぬかと思った」

「大袈裟だよ」

「もう絶対乗らない!」

私たちは最後まで一日中笑っていた。







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