君はロックなんか聴かない
✳︎
「ひめ!」

母の声で目が覚める。

家に帰ると気づいたらそのままベットに沈んでいた。どれくらい寝ていたのだろう、覚えてない。思ったより遊び疲れていたのだろう。まだ眠い。

「ひめお風呂入らないの?」

「入る!ちょっと待って」

「早く入っちゃいなさい」

「はーい」

シャワーが日焼けした肌に染みる。日焼けどめ塗ったのにな、足りなかったのだろうかもっと塗っとけばよかった。温度を下げよう。

シャワーから上がると白石さんから今日の楽しかった写真たちが送られていた。どの写真も楽しそうだ。スマホを見ながら思い出し笑いをしてしまう。楽しかった。本当に楽しかった。来年もまた行きたい。グッとスマホを握る。

「ご飯食べるでしょ」

「うん」

美味しそうなハンバーグだ。お腹が減った。そういえば今日はホットドックしか食べて無い。

「あれ、ひめ焼けたね、顔真っ赤だよ」

「本当?ヒリヒリするんだよね」

「なんで、日焼け止め塗らなかったの?」

「いや、塗ったんだけどね」

「まあ今日暑かったからね」

「まあしょうがない、いただきます」


残りの夏休みのイベントはフェスだけだ。絶対に成功させたい、私の初ステージ。それも楽しみだ。気合が入る。寝るまでまだ時間があるもう少し練習をしよう。
< 94 / 140 >

この作品をシェア

pagetop