異世界もふもふ保育園へようこそ!
水たまりに落ちたらその先は大草原?
私、川瀬春奈は今日も学校での授業を終えて帰宅するところだった。
午前中はしっかりとした雨が降っていたため、道路のあちこちには水たまりができていてそこを避けつつも避けきれないところは慎重に進んでいた時、避けきれない水たまりに足を踏み入れた途端に私はその水たまりの中に落ちるように吸い込まれてしまった。
そうして、びっくりして目を閉じて再び開けた時には私の足元はアスファルトの水たまりからなぜかどこまでも広がる草原へと変わっていたのだった。
「なにが起きたの?」
私の声は、小さく風に流れてく。
ぽつんと立ちつくす、このどこまでも続く草原に私はどこに向かえばいいのかもわからないので動くことも出来ないまま途方に暮れていた。
そんな私に背後から可愛い声が聞こえてきて、振り返って私はこんな時なのに可愛さに悶えた。
「お姉ちゃん、どこから来たの? あんまり見ない格好だね?」
可愛らしい女の子の声に私は振り返るとそこに姿はなく、足元に視線を落とすとそこにはモフモフの毛の子羊がいた。
真っ白で、ふわふわの子羊に私は今の状況を若干頭の片隅に追いやってニコニコと答える。
「なんて可愛らしい羊さんなの! 初めまして、私もなぜここにいるのか分からないの」
私は可愛い問いかけに正直に答えた。これでも、保育学科に通う保育士の卵。
動物も子どもも大好きな私はにこやかにしつつも困っていると伝えた。
「姉ちゃん、落ち人なんじゃないか?」
もう一匹いた子が言う。聞いてるともう一人の子はどうやらしゃべり方から男の子みたい。
さて、落ち人ってなんだろう? 疑問顔の私に最初に話しかけてきた女の子っぽい子のほうが、あとの子の言葉に同意を示したようで首を振りつつ話し出す。
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