異世界もふもふ保育園へようこそ!

 「結構、普通に町なんだね」

 私の言葉に、カーライドさんは微笑みつつ言った。

 「ここはアルアローザの中でもそこそこ落ち着いた気候と温暖な土地のおかげでみんな穏やかに暮らせているんだ。周囲も草食系の種族が多いから争いも起きないしね」

 話をしつつ村の中を案内してもらった後は、村の先に広がる農場に案内してもらった。

 そこは畑もあれば牧場もあるような広大な敷地で働く大人の傍らにはたいてい仔羊が数匹一緒にいる光景が広がっていた。

 「カーライドさん、働く大人のそばに仔羊が結構いるけれどみんな子連れで働いてるの?」

 そんな私の言葉にカーライドさんはきょとんとしつつ答えてくれた。

 「そうだね、学校に通う歳より前の子はみんな親の仕事についてくるものだよ。昨日のメロウとカロンはやんちゃな子で、親元を離れて遊びに行くからたまに自警団に捜索されたりしてるよ」

 なんとまぁ、昨日の二人はやんちゃなタイプだったのね。
 その二人の好奇心のおかげで私は見つけてもらえて助かったのだけれど。

 「学校に行くまでの間に子どもを預かるような施設はないんだ?」

 私の言葉は意外だったらしく、カーライドさんは目を見開きつつ頷いた。

 「そうだね、そういったものは無いけれどお母さん同士で助け合ってやっているんだよ」

 なるほど、地域の結びつきが強いから勉強のために学校に行き始めるまでは働きながら子どもも見るのか……。
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