異世界もふもふ保育園へようこそ!
「私は昨日この世界に来てしまった落ち人です。カロンくんとメロウちゃんが見つけてくれなかったらどうにもなりませんでした。なので、昨日のことは大目に見てあげてください」
ペコッと頭を下げて私が言うと、お母さんたちは少し顔を見合わせた後ににこやかに笑って言った。
「こちらこそ、あなたが来たからもっと遠くに行かなくって済んだわ。ありがとう。この子たちは好奇心旺盛で、私たちの作業中にすぐにどこかに行っちゃうから困ってたけれど、それが人助けになることもあるのね」
そんなお母さんたちに私は思いついたことを話してみることにした。
「この農場や畑のそばに、子どもだけ集めて面倒を見る場所が出来たらお仕事捗りますかね?」
そんな私の言葉に二人は顔を見合わせると、想像したらしくものすごくそうだったらいいなという顔をした。
「子どもを見ながら働くって大変なのよ。おとなしい子だとそうでもないかもしれないけれど、うちの子たちみたいな子だとどこに行ってしまうか気が気でないし、作業ははかどらないわ」
そんなお母さん二人に、そばに居たほかの母たちも同意を示している。
「いくらおとなしい子でも、そちらにも目を向けてたらやはり作業ははかどらないものよ」
そんな働くお母さんたちに私は提案してみることにした。
「あの、そしたらここで子どもを集めて面倒をみる施設をやりたいと思うんですが、どうでしょうか?」
その問いかけに、お母さんたちはごくりとのどを鳴らした後で言った。
「そんな施設が出来たら私たちは助かるよ! あなたがやってくれるの?」
その問いかけに私は頷いた。
異世界で、モフモフちゃんたちの保育園計画が立ち上がった瞬間だった。