異世界もふもふ保育園へようこそ!
今日の散歩には畑の近くを選んだ。そこより先に行くと、私が最初に立っていた草原になるのでそこまで奥には行かないように呼び掛ける。
「今日はこのあたりでお花摘みね! ここより奥には行っちゃだめだよ」
たどり着いた、花が咲く空き地で子ども達は思い思いに遊び始める。
私は、お花摘みに付き合ったりかけっこに付き合ったりした。
なかなかにハードな時間だけど、体を動かすのも結構楽しい。
「ごめんね、みんな元気だけど先生はちょっと休むよ」
そう、頑張ってもやっぱり私がへばるほうが先。
子ども達は元気の塊だから、なかなか追いつけないのだ。
そうして少し座って休むと、必ず私のそばに来る子がいる。
その子は大工のサムさんところのノノンちゃん。
大人しいタイプの女の子でサムさんの家の五人兄弟の三番目。
一番、周囲の様子を読んで動くとっても優しい子だ。
「先生、私も休むからもふもふしていいよ?」
私が無類のもふもふ好きと気づいたらしいノノンちゃんは、こういった場面で寄って来て一緒に過ごす。
小さな子や、他に囲まれてるときはそっと端で静かに過ごしている。
こういう、独占できる時を逃さないのもうまく見てるんだなと思う。
甘えたいんだろうな、でうまくいく時をしっかり掴んでくる。
真ん中の子は実に要領がいい。
「うん、じゃあもふもふさせてね」
そうやってノノンちゃんとゆっくりみんなに目線を向けつつ過ごしていると、私はいつものように人数を数えて足りないことに気づいて慌てて立ち上がる。