異世界もふもふ保育園へようこそ!
なので、ここに落ち人の私が住んでいてこうした事業を始めたことやきっかけなどもローライドさんからダムド様に伝わっていたということだ。
「じつに面白い試みだと思ってな。ローライドには保育園について詳細に報告してもらっていたんだよ」
にこやかに話すダムド様はやっぱり王様だけあって貫禄も威厳もある。
それでも、和やかな雰囲気をまとっていると話しやすくしっかり国に住む人々のことを考えてくれているのが伝わる。
初めて会ってほんのひと時を過ごしているだけだけれど、いい王様なのだと感じた。
「いい環境だな。子ども達はのびのびと過ごし、互いに見合って過ごすのはいい刺激だ。そしてこの建物も実に良い。子どもを思いやって作られているな。みんな子どもサイズだ」
すこし、見て過ごしただけだがこの建物の配置や形サイズで子ども用に建てられたものだと分かったようだ。
「この建物のイメージ図や作るときの設計図は?」
「それなら、大工のサムが持ってますよ。ここにもハルナが描いた原案図ならありますよ」
王様の問いに答えたのはライラさんで、その手にはすでに私が最初に書いたこの建物の提案に使われた原案イラストがあった。
ライラさん、手際良すぎだよ……。
「これはまた、可愛らしいが分かりやすいな」
私が描いたのは可愛らしい感じの建物で、見るからに子ども用。
色もカラフルで、私が好きな感じでイメージのままにこんなのあったら可愛いなで描いたものだ。
そこかしこに、その名残はあるけれど実際に建てた保育園はもう少し色彩は抑えめで可愛いけど木のぬくもり重視な仕様になっている。