異世界もふもふ保育園へようこそ!

 「俺が国王の息子とは話してないよね? どうして気づいたの? 髪や目は色が全然違うのに……」


 そう、ダムド国王はこげ茶の髪に瞳のダンディなおじさまだが目の前のランスさんは金に近い髪色で、瞳も薄い黄色なのだ。
 色素の濃さが違う二人だけれど、共通部分があるのだ。

 「お二人、確かに雰囲気も色も違いますけど耳の形は同じでしたから。親子なのかなぁと思いました」

 私の答えに二人はまじまじと見つめあって、そして首をかしげつつ言った。

 「父と比べないから分からないけれど、そんなにそっくりかな?」

 ランスさんの問いに私は頷いて答える。

 「えぇ、そっくりですよ。今度鏡のある所で上手いこと国王様と並んだ時にでも見てみるといいですよ」

 私はそう答えた。
 そうして、王様と王子様ご一行は保育園をくまなく視察、園児の様子もある程度見て帰っていった。
 嵐のようだったが、この制度がこの国内に広まれば助かるお母さんは増えるだろうことは明らかで、私はここで卵ながらも保育園に挑戦して良かったと感じたのだった。
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