異世界もふもふ保育園へようこそ!
「今年刈った子ども達の毛で糸を紡いだら今までと違って、艶良し、光沢あり、肌触り良しの高級毛糸が完成したのよ」
なんと今年のウールの出来はとっても良かったらしい。
私がしてたのは撫でて、ブラッシングくらいなのだが。
遊んできた子が毛につけてた枝や葉っぱは丁寧に取り除き、これまた丁寧にブラッシングして撫でたのだ。
それくらいしかしていないので、毛糸が変化した原因が私っていうのもどうなんだろうと思っていたら、ライラさんに言われた。
「ステータスオープンって言ってごらんなさい。自分のステータスが確認できるから」
ちょっとあきれ顔で言われつつ、私はライラさんに言われたとおりに復唱した。
「ステータスオープン」
ブォンという音とともに私の眼前にはゲームに出てくるような、自分の体力や魔力や使える魔法やらいろんな情報が一覧になって目視できるように出てきた。
するとそこにはスキルの一覧もあってそこには見慣れない言葉が書かれていた。
「ライラさん、スキル超グルーミングって何?」
私の言葉に、ぴくッと反応したライラさんはすっごくいい笑顔で言った。
「それはね、ハルナが撫でた獣人はみんな毛が艶々のサラサラになるってことよ!」
力いっぱい放たれた言葉に、私は唸りつつとにかく私が撫でると毛艶が良くなると理解した。
「ハルナ、試しに私の髪撫でてみて」
そう言われてライラさんの髪の毛を撫でると、あらまぁ不思議。
確かに見るからにサラサラの艶々になったではないか……。
「こうなってくると、ハルナの手は子どもにも大人にも神の手だわぁ」
にこやかに艶々になった髪にご機嫌なライラさんは私にニッコリ笑って言った。