異世界もふもふ保育園へようこそ!
嵐はどうやら私の世界でいう大きな台風と想像した。
私の世界でもこの季節にはちょこちょこ巨大な台風が来ては大きな被害をもたらしていた。
幸いにして私の住んでる地域ではちょっと停電くらいや軽い崖崩れ、住宅の屋根瓦が飛ぶ程度でいたけれど、海を挟んだ隣の県ではものすごい被害が出たりもしていたものだ。
場合によっては生命の危険が及ぶもの……。
こちらの嵐もその認識で合っているよう。
大人はみんな急いで明日に備えるべく動いているようだ。
「ライラさん、ここに水分と簡単に食べられる物を集めておきませんか?ここは昔避難していた場所なんですよね?」
私の言葉にライラさんはハッとする。
「そうね、今回もなにかあったらここは建物もあるし避難所になりあえるわ。キャロルとミレイラ、ここに水と食料を集めてくれるかしら」
ここには子ども用とはいえ食器もあるし、トイレに調理場まであるのだ。
そしてこの国の獣人たちはみんななにかしら魔法も使えるというし、建物が一つ残れば避難所として機能できるだろう。
「あと、毛布や肌掛けなどもあればいいかと思います」
そんな私の言葉にキャロルさんとミレイラさんは頷くと、今頼んだものを集めてここに運ぶために動き出した。
そうしていつものように遊んだり、ご飯を食べたり、お昼寝したりして過ごしたところで、お帰りの挨拶で私は大切だと思うことを子ども達に伝えることにした。