異世界もふもふ保育園へようこそ!
私とライラさんも一度家に帰ると、いろんなものを運びつつローライドさんカーライドさんも共に保育園へと戻った。
村は聞けば川があふれれば水没するというし、この高台のほうが村全体を見渡せるので自警団の長のカーライドさんも様子を見て動きやすいとのことで、みんなで今夜からここで過ごすことにした。
「完成した時にも見たけど、ここはやっぱり可愛い作りだね」
カーライドさんは園内を見渡して微笑む。
ローライドさんも見て回って、思いついたらしくライラさんに話しかける。
「ライラ、家に眠ってるカーライドが昔好きだったおもちゃや絵本を持ってきたらどうだい?」
その言葉にライラさんは、一つ頷くと言った。
「そうね、持ってきたらみんなが遊べるわね。すっかり忘れてたけど、取っていたんだったわねぇ」
にこやかにいうライラさんは少し懐かしそうで、優しい表情をしている。
きっとカーライドさんが小さいころを思い出しているんだろうな。
すると、カタカタと窓の外から風の音がしだした。
「予測より早く来そうだな……」
そんなローライドさんの言葉の通り、天気読みさんの予測よりやや早く嵐は近づいてき始めた。
この世界に天気予報なんてない、でも魔法で空を読み翌日の天気をお知らせしてくれる天気読みという職業の方々が大体村に一人はいるんだとか。