異世界もふもふ保育園へようこそ!

 「大変、恐縮なのですがこの世界の神様は大変穏やかかつおっちょこちょいな女神様でして、たまーにぽやっとして異世界とこの世界を隔てる壁を緩めておしまいになってね。そんな時につながった場所にいた人は巻き込まれてこちらに来てしまうんだよ」

 大変、申し訳なさそうにいうローライトさん。それはおちょこちょいな女神様のせいで、あなたは悪くないだろうに……。

 「いや、悪いのはぽやっと女神様だから。それじゃあ、ここに来た人って帰ったりは?」

 「狭間から抜けてきた落ち人は、アクシデントでしょうが元には帰れないんです。なのでこの世界では落ち人を見かけたら保護して生活が落ち着くまで面倒を見るのが習わしです。私の家でとりあえず過ごしてください。私がこの村の長なので」

 そう告げてくれたローライトさんは優しく微笑んでそういってくれた。

 「ありがとうございます。ご厄介になります。それにしても、言葉がわかるのはありがたいですね」

 そんな私の言葉に、ローライトさんはそれも申し訳なさそうに言った。

 「うちのおっちょこちょい女神様からの落ち人さんへのごめんなさいのプレゼントが、意思の疎通ができるという言語のギフトなのですよ」

 なるほど、一応この事態を招いたことに反省はしているんだね女神様。
 私は頷きつつも、考えた。
 この世界で私はどうやって自立したらいいんだろうって……。

 大した特技もない、この世界の常識も分からない。
 これではまず自立なんて無茶である。
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