異世界もふもふ保育園へようこそ!

 「えぇ。ここが一番新しい建物で、この村の中で一番高いところになることと、二十年前にここが避難場所だったとライラさんに聞いて、今回もここが安全だろうと思い決めました」

 真っすぐに見つめて答えた私に、ダムド国王は言った。 

 「この世界の嵐は厄介でな。普段は温暖で穏やかな気候の国だが十数年に一度こうして大きな嵐に見舞われるのだ。しかも突発的にな……」

 それは気象予報の発達した私の元世界とは比べられないほど、穏やかでいいことだけど数十年に一度、しかも来るのを知るのは一日前では大変だなとは思う。

 「そなたの世界にも嵐はあったのか?」

 ダムド国王のその問いに私は頷いて答えた。

 「ありました、嵐以外にもものすごい雨だけが降るとか、地が揺れることもありましたし、山が噴火することもありました。一番まれなのは噴火ですね」

 そんな答えに、ダムド国王は目を丸くする。

 「地が揺れるとは恐ろしいな、噴火と言うのも想像できん。嵐もあるなど、ハルナの世界は住むのが大変なのだな」

 まぁ、言葉だけ聞くとそう思うよね。
 災害大国ともいわれていたようだし、確かに一年に何件もの災害が起きる年もあるほどだった。

 「でも、過ごしやすい国でしたし天気は三日後ぐらいまで予報が出るし、一週間の予報もあったので嵐はわりと早くから対処できたんですよ」

 そんな私の話に驚きつつ、ダムド国王は言った。

 「嵐対策や、その後の立て直しについてそなたの世界でのことを教えてほしい」

 それは、きっとこの世界にも有効だろう。

 「えぇ、お話します。そこまで詳しくは無いですけど」

 こうして国王さまの援軍を得て、生活立て直しはペースを上げることができた。

 

 
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