異世界もふもふ保育園へようこそ!
災害から二週間、村での生活が元に戻りつつあった。
戻らないのはこの被害で荒れてしまった畑の作物。
そこをみんなで力を合わせて、これからの時期に収穫の間に合うものから植えて行った。
秋に実るもの、特に今回麦が大打撃を受けてしまったので主食になる小麦粉が作れないのだ。
そんな中でギリギリ大丈夫かなとみんなで話し合って、今回植えたのはサツマイモ。
芋は主食になり得るし、お腹も満たされるからだ。
あと、私が知ってて粉になって小麦代わりに出来そうなので進めたのがトウモロコシだった。
近隣から苗状態のトウモロコシを譲ってもらい、植えることにした。
トウモロコシも乾燥させて粉状にしたものを卵や水で生地にして焼けば薄いパンみたいになるので立派な主食になるのだ。
私の世界のトルティーヤみたいな感じにすればいいかなと、被害にあった中から無事そうなトウモロコシは綺麗に洗って乾燥させることにしつつ、新たな苗も育てている状態だ。
そうしても人が食べるには向かなそうなトウモロコシは乾燥させて砕いて家畜たちの飼料にすることにした。
あとはダメになった野菜たちで腐葉土になるように一部に山を作っておいたりと、なるべく無駄にならない工夫をすることにしたのだった。
このあたりの知識も、学校で習ってたり食生活だったりの違いからの発想で私の話にみんなは最初驚いたけれど、トルティーヤもどきが完成した時にはとっても気に入ってくれた。
食べやすいし、はさむ素材は工夫できるし、食材としては有能だと思ったんだよね。
今では保育園でもトルティーヤが主食になっている。
掴んで食べれるので小さな子達にも人気だ。
そうして、なんとか秋を迎えるころにはサツマイモも収穫できたので贅沢は出来ないものの村は冬を越す支度が出来たし、王都からは緊急支援として小麦も届いて安心できたのだった。