異世界もふもふ保育園へようこそ!

 私は、まずこの世界の常識を学ぼうとローライトさんに聞くと一冊の本を貸してくれた。
 それは小さな子向けの童話。 文字が読めるか不安だったけれど、見たことない形なのに見るとすんなり意味が分かって読める。
 これも、女神様のギフトのおかげみたいだ。 書くのが難しそうな文字だけれど読めて話せれば当座は問題ないだろう。

 この童話は女神様と世界の成り立ちを可愛らしい絵と優しい分かりやすい言葉で書かれているみたい。

 私はここを使ってと案内された部屋の椅子に座って貸してもらった本を開いた。

 【昔々、この世界を作ったのは創世の女神様。名はリベルタ。彼女は温かく優しい世界を願ってこの世界アルアローザを作りました。動物と人の姿になれる、優しい世界です】


 【しかし、ある日を境にこの世界は二つに分かれました。肉食な動物たちと、草食な動物たちとで離れて暮らすようになったのです】


 そこまで読んで、少し考えてそしてそうなったことになんとなく察しがついて納得する。
 肉食と草食は早々仲良く暮らせないだろう……。

 【それは仕方のないことでしたが女神は仲良く暮らせないことに悲しくなりました。そうして悲しみに暮れるたびに女神様は世界を綻ばせて異世界の落ち人を招いてしまうのです。それを申し訳なく思った女神は落ち人には言葉が分かるスキルともう一つ福音を授けました】

 なんか、これ重要っぽい……。

 次のページを思い切って開く。
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