異世界もふもふ保育園へようこそ!
過ごしやすいとはいえ、冬は家畜と畑の最低限の世話以外はここではのんびり家で過ごす期間だという冬。
珍しいことにやはり嵐があったからか、めったに降らない雪も降ったりしたがあまり積もることもなく、私はここに来て初めて編み物をライラさんに教わったりして穏やかにみんなと過ごしたのだった。
さすが羊族の村だけあり、ここでは男性も女性もみんな親に習って編み物を習得するらしい。
カーライドさんも、大きな手で編んでとっても綺麗に編みあがったカーディガンをくれた。
それを見たローライドさんも負けじと同じ毛糸でマフラーを編んでくれて、いつもよりは寒いと言われたここでの冬を温かく過ごせた。
そんな私は初心者なので、コースターをローライド家分と自分の分。
カーライドさんへのお返しにマフラーを一本編むのが精一杯だった。
みんな編めるだけあり、大人が作る作品は綺麗で売り物になるらしく冬の内職だと言っていた。
私も来年は戦力になれるように、ちょっとずつ練習しようと思う。
来年は手袋かベストが目標だとこっそりライラさんに伝えると、ライラさんは微笑んで言ってくれた。
「ハルナは覚えるのが早いから、きっと来年は出来るようになるわ」
そんな言葉に励まされつつも過ごした冬はそろそろ移ろい、季節は春を迎えようとしていたのだった。