異世界もふもふ保育園へようこそ!
新たな季節と新し場所へ
嵐から季節をまたぎ、暖かで落ち着いた春がやってきた。
無事に冬を越したいま、羊族の村は暖かさと共に活気を取り戻しつつあった。
そんなころ、王都から今度は初めてミケーレさんのみがやってきた。
ミケーレさんが持ってきたのは国王様からの親書であった。
その内容を要約するとつまりはこうだった。
『王都でも保育園が建ったから、開始の春から夏まででいいからこっち来て手伝って! よろしくね!』
こんな内容を丁寧な言葉でつづられた親書。
でも、こんな形で王様から要請が来たらたんなる一落ち人がノーとは言えないよね……。
そんなわけで、一年近く過ごしたこの羊族の村から夏までの期間限定で私は出来たばかりという王都の保育園へ短期派遣されることが決まったのだった。
しかも、親書を持ってきた翌日には移動しますよって感じなので現在急いで準備中だ。
ここでの保育園の仕事だってあるというのに、なかなかの無茶ぶりです。
「まったく、ハルナは人気者ね。国王様もハルナを気に入ってたものね」
私の短期派遣の準備を手伝ってくれているのはもちろんライラさん。