異世界もふもふ保育園へようこそ!

 内心で意気込みつつも、そんなとき隣にいたミケーレさんが国王様に声をかけた。

 「道中でハルナから有意義な提案を受けました。ハルナから聞いてみてください」

 そんなミケーレさんの言葉に顔色を変えたのは、近くにいた若い男の人だ。

 「へぇ、本当に落ち人って有意義なことをいうものなんだ?」

 なんだかちょっといい態度ではない彼だが、まぁいい。
 王様が立派でも、子どももそうとは限らないというのはよくある話である。
 それに彼にどうこう言うのは私の役目でもないからだ。

 そんな彼に、私以上に素早く反応したのは綺麗な女性だった。
 彼のすぐ隣にいた女性はにこやかな顔のままに彼に裏拳を食らわせた。
 それはもう、ものの見事に避ける隙もないほどに素早い動きで。

 それをもろに食らった彼は、息をつめた後に驚きの表情で女性に声をかける。

 「……っ母上?」

 そんな彼を女性は冷ややかな笑顔で見つめて言った。

 「かの女性に対して、ものとは何事です。我が国の国民を救い、我が国の子ども達への教育を担ってくれて、またほかにも彼女の知識を我々に教えてくれる。そして何より我々を恐れない稀有な落ち人なのですよ」

 そう言い切ると、女性はとても申し訳なさそうにしながら話しかけてきた。
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