異世界もふもふ保育園へようこそ!
「私の愚息が大変失礼しました。どうかお許しくださいませ、ハルナさん」
「いえ、王妃様が謝ることではありません。私こそ、落ちてきて何も分からないままだったところをアルアローザの羊族に助けていただいたんです。助けてもらって、帰れないことも知って。それならここで私に出来ることをしようって、それだけだから」
そんな私の返事に王妃様は感極まったように瞳を潤ませると、キュっと抱きしめられた。
「あなたには大変なことでしたが、私たちにはあなたのような方との巡りあわせに感謝しかありません。ハルナ、私はあなたの味方でありましょう」
優しく微笑む王妃様は自身の息子には再び冷たい目線を向けた。
「この子は少し修業が必要なようですからね。あなた、レザントには少しきつめの仕事を振りましょう? いいですね?」
にこやかに、サクッと厳しいことを言ってしまう王妃様に国王様もにこやかに頷いてしまう。
「そうだな、この甘やかされ坊主にはそろそろいい仕事を振ってやるべきだな。いい勉強になるだろう」
おう、獅子は自分の子を千尋の谷に突き落とすがリアルに目の前に……。
「はぁ、なんでだよ? 俺がなんでそんな仕事しなきゃならねぇんだよ」
お、素の口調はけっこうワルだね。
でも、この感じのほうが雰囲気あってるなぁ。
金髪ヤンキー兄ちゃんって雰囲気だもんねぇ、見た目からして。
「では、国王陛下。私が道中にミケーレさんに進言した案を彼にお願いするのはどうでしょう? 各領地を見て回れて、いい勉強になるかと思いますが」
そんな私の言葉に、国王様と王妃様は即座に反応した。