異世界もふもふ保育園へようこそ!
タワーやハンモックや爪とぎが必要って、しかも普通の猫の物より大きく頑丈な物って……。
これは、羊族の子達とは勝手が違うぞと備品だけでも確信する。
ネコ科と言っても、私が現代で見てきた子猫とはわけが違うだろう。
たまにニュースで見たようなライオンやチーター、豹の子を想定しなければならないのだ。
元気さも、素早さも力強さも想定以上だろう。
気を引き締めて当たらなければ、互いに怪我をしてしまうだろう。
それだけはあってはならない。
「子ども達は大きい子たちは少しはお話聞けますかね?」
私の質問に王妃様はにこやかに答えてくれた。
「えぇ、大丈夫だと思うけれど。ここの園長には私が就きます。初めに私がしっかりお話しますから、ハルナは安心してちょうだい」
その言葉にホッとしたのは言うまでもない。
何も知らない、初めましての落ち人の注意はたぶん子どもにすぐには響かないだろう。
その点、王妃様であれば違うと思う。
「助かります。お忙しいと思いますが、よろしくお願いします」
こうして私は着いた翌日から、準備に取り掛かり子ども達のために動き出したのだった。