異世界もふもふ保育園へようこそ!
新しい園での生活と、自分の大切なもの
王都でネコ科の子たちの保育園をスタートしてあっという間に一ヵ月が経過する。
最初こそ飛びついてきた子たちも、今はしっかりと言うことを聞いてくれる。
私のスキルの効果もあるけれど、初日の王妃様の発言の強さも大いにあった。
しかし、羊族とは違い彼らはとてつもなく高い身体能力を日々見せつけてくれるので、私も日々あっという間に眠ってしまうほど体を使っている。
「さあ、今日はみんなでこのそばの庭園でお昼ご飯にしようと思います。お外でご飯だよ! 私の世界のピクニックをしましょう」
この日、だいぶ仲良くなった子ども達を連れて許可をくれた王妃様の庭園でのピクニックランチのため移動を開始する。
大きな子たちは自分で歩いて、小さな子たちはお願いして作ってもらったカートに乗せてお散歩の速度で進む。
カートは私の世界でも使用されていたものを絵に描いて説明して作ってもらった特注品だが、これ羊族の村に帰るときに一台欲しいなと思っていたりする。
この一ヵ月でようやくきちんとまとまって歩けるようになったことにも成長を感じる。
最初は我先にと、飛び出し駆け出し、キャロルさんが追いかけたりと大変な日々だった。
まとまって移動することの大切さを、沢山説明して実際に迷子になった子やその様子を見たりしてみんな学んでいったのだった。