異世界もふもふ保育園へようこそ!
「ありがとう、ハルナ。そこのサラダは出来てるから運んでくれると助かるわ。女の子って、やっぱりいいわねぇ」
そんなライラさんの言葉に私はちょっぴり嬉しく思いつつ、サラダが入ったお皿を抱えてリビングのテーブルに運ぶ。
その時、階段から男の人が降りてきた。
「母さん、父さんおはよう。ハルナ、おはよう」
ローライトさんとライラさんの息子でカーライドさん。歳は私より四つ上の二十三歳。
今は村長になって忙しいローライトさんに代わって畑や村の自警団をまとめているのだとか。
ライラさん似の穏やか好青年なお兄さんである。
「ハルナ、もし良かったら村と畑を案内するからご飯を食べたら一緒に出掛けないか?」
テーブルについてご飯を食べ始めるときに、そうカーライドさんに声を掛けられて私はその話に頷いた。
「ここに来たばっかりだし、なにがどこにあるのか知りたいのでお願いします」
私の返事にニコニコと微笑んでカーライドさんは頷くとサラリと言われたことに私はあっけにとられた。
「ハルナは可愛いから、まずは顔見せつつもうちの子って牽制しとかないと。変な虫が着いたら大変だもんねぇ」
にこやかな表情でしみじみとしたセリフを言うカーライドさんに、ローライトさんもライラさんも頷きながら同意を示して言う。
「そうだな、うちの子になるハルナに変な虫は付けられんからな」
「そうねぇ、その点では自警団のまとめ役のカーライドが一緒なら安心ね」
などと言うのだ。
「私、そんなに可愛くないよ?」
私は不細工とは言わないけれど、元の世界でいえば平凡で十把一絡げなどこにでもいる女の子だった。
しかも目指す職業的にお仕事中はシンプルな控えめメイクしかしないので、華やかになりようがないのだ。