虹の彼方へ~幸せな生活~
1時間程で奈々が帰ってきた。

「蓮、海斗さん何時頃来る?」

「呼んだらいつでも来るんじゃないか?」

「じゃあ、いつでもいいって連絡したら?」

「…」まだ、来なくていいと思ってしまう俺。

「パパ、海斗さんって誰?」

「う~ん。パパのお友達」

「パパのお友達が来るの?」

「嫌か?」ちょっと嫌って言ってほしい俺。

「ううん。楽しみ!」

そう言われてはしょうがない。連絡するか。


電話を掛けるとワンコールで、
「もしもし?蓮?」と勢いよく出る海斗。

「出るの早いな」

「待ってたんだよ!」

「奈々が、いつ来てもいいって」

「すぐ行く!いつでもオッケー」

「…。じゃあ1階まで下りるから、海斗も1階まで下りててくれ」

「了解~」

そうこのマンションは、カードがないと他階に行けない。住人同士でも直接部屋へは行けないのだ。
以前奈々は、蓮の部屋のカードも持っていたから直接行けたが、普通は不可能だ。









< 16 / 105 >

この作品をシェア

pagetop