虹の彼方へ～幸せな生活～
書類をもらいに行くのは奈々に任せたので、蓮はいつも通り出社した。

本来なら、奈々の両親にご挨拶となるのだが、他界されている。

柳田夫婦にも挨拶は済ませた。



あとは…

自分の部屋で一通り紙面に目を通した後、電話を取りだし、国際電話を掛けた。

「はい」蓮の父親が電話に出た。

蓮の両親と弟は、ずっとアメリカで暮らしている。父親の仕事でアメリカに移り住んだが、気に入ってしまい日本に戻るつもりはないらしい。弟もアメリカで働いている。

「ご無沙汰してます。蓮です」

「ああ。久しぶりだな。どうした？」
離れて暮らして長いので、少し他人行儀だが仲は悪くない。

「俺、結婚するから」

「はぁ？」そして、電話の向こうで母さ～んと母親を呼ぶ声が聞こえる。弟もいるようで3人で大騒ぎ。

何年も前、奈々の事を話した事があった。結婚をしないのかと聞かれ、奈々がいなくなった事までを。

「「「誰と？」」」突然声が聞こえたと思ったら、3人口を揃えて聞いてくる。









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