虹の彼方へ~幸せな生活~
⑧海斗と彼女の出会い
出会いは突然だった。

その日、海斗は何年振りかの熱を出して病院に来ていた。


前日の夜から寒気がしていたが、寝れば治ると思っていたのだ。ところが朝、目が覚めると身体がかなり熱い。

今日が土曜で仕事が休みで良かった。

が病院は午前中しか開いていない。

怠い体を起こし、何とか病院に向かった。

土曜の午前中の診察は混み合っていた。

受付で保険証を渡し、問診票を記入する様に言われた。

空いている席に座って記入するが、あちらこちらから視線を感じる。

看護師の視線まで感じる。

ただ、今日は余裕がないので、記入を済ませるとずっと俯いていた。

この時は、さくらの存在にも気づいていなかった。














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