虹の彼方へ~幸せな生活~
待合室でウトウトしていた。

「桐島さん~」と看護師に呼ばれるまで、時間を感じなかった。

ただいっぱいだった待合室が空いていたので、かなり時間が経っていたようだ。

「はい」と怠い体で診察室に入る。

海斗くらいの年齢の医者が座っていた。

「どうされましたか?」

「昨夜から寒気を感じていたんですが、朝熱を測ると38.9℃ありました」

「じゃあ、胸の音聞きますね」と聴診器をあてられる。

「はい、次は口を開けて。あ~、喉赤いですね」

「月曜には仕事に行きたいんですが」

「風邪と疲れですね。点滴すると治りが早いので、して帰りますか?」

「はい」

ベッドに案内される。

看護師達は、誰が点滴するか取り合っている。

さくらは受付から見えるその光景が全く理解出来なかった。










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