虹の彼方へ~幸せな生活~
タクシーに乗り靖子が告げたのは、近くの産婦人科の名前だった。

「…。靖子さんあの~」と奈々はまだ自分の事ながら気づいていないらしい。

それもそのはず、奈々の頭には妊娠という考えは全くなかった。

再会してからも、蓮と心身共にラブラブな奈々。まだ30代前半だ。
その可能性は大いにあるのだが、凛を産んでからかなり経っていて、凛と蓮の関係も良好。
もうひとりと思った事がなかった。

でも、よく考えれば…

微熱が続き目眩に貧血。

妊娠初期によくある症状。

思い当たることだらけ…

その可能性を確信すると一気に嬉しさが込み上げてきた。








< 96 / 105 >

この作品をシェア

pagetop