【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そこで思いついて、もう一度ドラッグストアの袋の元へ向かう私。


せっかくだから、少しでも気持ちよく眠れるように、これも額に貼ってもらおう。


箱の中から袋を取り出して開け、冷却シートを一枚手に持って翠くんの横たわるベッドへと駆け寄る。


「あのこれ、よかったら……」


そしたらなぜかその時、フローリングの床でツルッと足が滑ってしまい、そのまま翠くんの横たわるベッドへと倒れ込んでしまった。


「きゃっ!」


――ドサッ。


その瞬間、冷却シートがパッと手から離れて床に落ちる。


わあぁっ、私ったら何やってんだろう。


気が付けば、翠くんの体の上に覆いかぶさるように乗っていて。


「ご、ごめんねっ。つまずいちゃって」


慌てて顔を上げる。


すると、目の前にドアップで翠くんの顔があって。


――ドキッ。


「ヒナ、大丈夫?」


「だ、大丈夫っ。えっと、そうだ。冷却シート……」


そう言ってベッドから起き上がろうとした次の瞬間、なぜか翠くんに腕をグイッと引かれて、そのまま彼の腕の中にギュッと閉じ込められた。


「ひゃぁっ」



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