【完】溺愛したいのは、キミだけ。
ウソ、ちょっと待って……。なにこの体勢。


戸惑う私の耳元で、翠くんが囁く。


「もう、一緒に寝よっか」


「えぇっ!?」


なにそれ。本気なの?


「俺が寝付くまでヒナが一緒にいてよ。嫌?」


甘えるような口調で問いかけられて、返答に困る。


嫌か嫌じゃないかって聞かれたら、嫌ではないと思う。でも……。


一緒に寝るなんて、さすがにそれは何かの冗談だよね?


翠くん、からかってるだけだよね?


「い、嫌じゃない、けど……」


曖昧に答えたら、翠くんがクスッと笑った。


「嫌じゃないんだ」


そして私を腕に抱えたまま、ぐるっと体の向きを変えたかと思うと、一気に体勢が逆転して。


「きゃっ!」


気が付くと、私の背中がベッドついて、彼に押し倒されているような形になっていた。


あれ? ウソ。なんで……。



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