【完】溺愛したいのは、キミだけ。
しかも、よくよく見るとものすごく可愛い子でビックリする。


ウソ、あんな可愛い子、いたんだ。


たぶんうちの学年ではないと思うけど、もしかして美羽と同じ一年生かな?


翠くんに笑顔で話しかける彼女を見て、なんだか胸の奥がチクッと痛む。


あの子と翠くん、仲いいのかな……なんて。


翠くんは基本誰に対してもフレンドリーだし、いつもたくさんの女の子に話しかけられているけれど、こういうのを見るとやっぱりちょっとモヤモヤしてしまう。


でも、彼は人気者なんだから、当たり前だよね……。


すると、その時美羽が颯希くんを連れてこちらへ戻ってきて。


「ヒナちゃーん! お待たせ~」


「あ、美羽、颯希くん」


「あ、雛乃ちゃん。お疲れ」


いつものように三人で集まったところで、美羽がふと翠くんのほうを見て、気が付いたようにこう言った。


「あれ? ねぇあの翠先輩と話してる子って、2組の春田さんじゃない? なんでサッカー部に?」


ちょうど気になっていたところだったので、ドキッとする。


あの子、春田さんって言うんだ。


そしたら颯希くんがすぐに答えてくれた。


「あぁ、実は春田、最近新しくマネとして入ってきたんだよ」


「えーっ? 新しく? なんでこの中途半端な時期に?」


「それがさぁ、なんかあの子、翠先輩に一目ぼれしたらしくて……」


「えぇっ!」



< 130 / 454 >

この作品をシェア

pagetop