【完】溺愛したいのは、キミだけ。
思わぬ衝撃発言に、大声を上げてしまった私。


美羽も驚いたように目を丸くして。


「もしやそれ、翠先輩目当てってこと!?」


「そうかもしんない……。なんかこの前練習中にさ、一年の奴がふざけてボール変な方向に蹴って、近くを歩いてた春田に当たりそうになって。それをとっさに翠先輩がかばったんだよ。それで一目惚れしたって噂なんだけど」


ウソ。そんな……。


あんな可愛い子が、翠くんのことを?


「なるほどー。そういうきっかけだったんだ。でもまさかそれでわざわざマネとして入ってくるとかすごいね。かなり本気ってことじゃない?」


「うん、たしかに。まぁ、他の先輩たちは可愛いマネが入ったって大喜びしてたけど……」


「へぇー。男子って単純」


美羽がそう言ってジトッとした目つきで颯希くんを見ると、途端にハッとした顔になる彼。


「あ、言っとくけど俺は全然喜んでねーからなっ!」


「ほんとに~?」


「当たり前だろ! 俺はべつに春田なんかに全然興味ねーよ」


必死で弁解する颯希くんを見て、ちょっと笑ってしまいそうになる。



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