【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「でもなんか、翠先輩狙いとか、ちょっと嫌だね。せっかくヒナちゃんとイイ感じなのに」


今度は私のほうに目を向ける美羽。


「えっ! いや、私はそんなイイ感じってわけじゃ……」


「春田さんってさぁ、すっごくモテるんだよね。うちらの隣のクラスなんだけど、うちの学年でベスト3に入るくらいの美少女って言われてて」


ウソ……。そんなに人気あるんだ。


確かに遠目に見てもすごく可愛いし、モテそうな感じがする。


「積極的っぽいからなぁ~、気を付けなくちゃ。ヒナちゃん、負けたらダメだからね!」


美羽がそう言って、私の肩をバシンと叩いてくる。


「えぇっ」


負けるも何も、あんな可愛い子に対抗できる気がしないよ……。


春田さんのほうに再び目をやると、翠くんと笑顔で楽しそうに話しているのが見える。


なんだかますますモヤモヤして、急に気分が落ち込んでしまった。


.




.



< 132 / 454 >

この作品をシェア

pagetop