【完】溺愛したいのは、キミだけ。
だけど、そのまま15分ほど待っても一向に彼は現れなくて、だんだんと下駄箱にくる生徒の数も減ってきた。


翠くん、来ないなぁ。確かに約束したはずなんだけど……。


メッセージも読まれていないみたいだし、教室まで見にいってみようかな。


そう思い立って、二階にある教室まで戻ってみる。


すると、教室の中には誰もいなくて、すでにみんな下校してしまったあとみたいだった。


あれ、ここにもいなかった……。


ってことはもしかして、忘れて帰っちゃったとか?


それともどこかでサッカー部のメンバーと話してたりするのかな。


そう思ってチラッと窓から外を覗いてみる。


すると、ちょうど真下にある花壇の前の通路で、制服姿の男女二人が抱き合っているのが目に入った。


……えっ!?


その見覚えのある姿に、心臓がドクンと飛び跳ねる。


ちょ、ちょっと待って。あれって……翠くんと、春田さん!?


ウソ、でしょ……。



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