【完】溺愛したいのは、キミだけ。

――ガチャ。


玄関のドアを開け、家の中に入る。


そのまままっすぐリビングに向かうと、リビングには美羽と颯希くんがいて、二人でお菓子を食べながらくつろいでいた。


「ただいま」


私の声に振り返る美羽たち。


「あ、ヒナちゃんおかえり！」


「おかえりー」


ソファーにカバンを置いたら、美羽が美味しそうなクッキーを手に持って声をかけてくる。


「ねぇねぇ、ヒナちゃんも一緒にこのクッキー食べない？」


「うん、食べる」


ちょうどお腹がすいていたところだったので、笑顔で頷いた。


「いただきます」


手を洗って再びソファーに戻り、みんなで仲良くクッキーを食べる。


いつものように仲良くじゃれ合う美羽たちを見ていると、ちょっと元気が出てくる。


「そういえばヒナちゃん、最近翠先輩と一緒にいるの見ないけど、何かあったの？」


すると話の途中、美羽がさりげなくこんな質問をしてきた。


「えっ……」


「颯希が心配してたからさ、私もちょっと気になっちゃって。だって前はあんなに仲良かったでしょ？」