【完】溺愛したいのは、キミだけ。
気になってたずねてみる。


すると颯希の口からは、とんでもない答えが。


「いや、べつに噂にはなってないんすけど、実は……雛乃ちゃんがその現場を見ちゃったらしくて」


「はあぁっ!? マジかよっ!」


ギョッとして思わず大声が出た。


でもその言葉でピンとくる。


待てよ。じゃあヒナのやつ、なんか急に態度がおかしくなったと思ったら……もしかしてそれを見たからなのか?


いや、絶対そうだよな? 他に理由考えられねぇし。


ってことは全部、俺のせいじゃん。


だからヒナは、俺のこと避けてたのか。


あの日目を合わせようとしなかったのも、泣きそうな顔であんなことを聞いてきたのも全部、俺が春田に気があると勘違いしてたから――。


それならあの時、突き飛ばされて逃げられたのもよくわかる。


なんだ、そういうことかよ……。



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