【完】溺愛したいのは、キミだけ。
バレちゃった。恥ずかしい。


正直に頷いたら、またギュッと抱きしめられた。


「あーもう、可愛すぎるから」


「うぅ、ごめんね……っ」


「いいよ。だって全部俺のせいだし。それに、俺のほうこそこの前は、いきなりキスしたりしてごめん」


私を腕に閉じ込めたまま、謝る彼。


「ほんとはあの時告ろうかと思ったけど、ヒナに逃げられたから言えなかった」


「えっ、そうだったの?」


「うん。もう俺、完全に嫌われたかと思ったよな」


「そ、そんなわけないよ! ほんとにごめんねっ」


あらためて申し訳なく思ってまた謝ったら、翠くんがそっと腕を離し、私の頬に片手を添えてきた。


「だから、もう一回リベンジしていい?」


「え……」


リベンジって。


それは、キスをってこと?



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